IR担当A子さんの悩み

〜株主総会編〜

A子さん

「コロナウイルス対策で、サーモカメラが注目されているって聞くけど、サーモカメラって何?」

先輩

「Aさん。どうしてサーモカメラに興味をもったの?」

A子さん

「あ、先輩!実は、株主総会で、コロナウイルス対策を考えるよう上司から言われて、調べていたら、サーモカメラが注目されているらしくて。」

先輩

「そうなんだね。サーモカメラは、赤外線を使って、温度を測ることができる機器の事だよ。確かに、株主総会のように人が集まる場ではいいかもね。でも、きちんと運用にあったものにしないと、あまり意味がないこともあるよ。」

A子さん

「え、そうなんですか!?もっと詳しく教えてください。」

A子さん

「体温は、計れるんですか?どこまで正確なんですか?」

先輩

「Aさん、サーモカメラでは、体温を測ることは出来ないよ。」

A子さん

「え!どういうことですか??それじゃ意味ないじゃないですか!」

先輩

「サーモカメラが測れるのは、『表面温度』だけなんだ。つまり、外気温や日光の影響を受けてしまうから、厳密には体温ではないんだよ。」

温度によって色味の表示が変わります

A子さん

「表面温度と体温は違うんですか?」

先輩

「同じ人もいれば、違う人もいると思う。環境によっても変わってくると思うよ。重要なのは、サーモカメラが体温を測れるものではないということ。
なるべく、外部環境の影響を排除できる場所に設置して運用するんだよ。」

A子さん

「でも、体温を測れないじゃ意味がないですよ・・・。体温が、37.5℃を超えた人を見つけなきゃいけないのに。体温計にした方がいいのかな?」

先輩

「サーモカメラは、コロナウイルス対策やインフルエンザ対策で、世界中に導入されているし、実際に測ってみるとわかるけど、設置環境を考えれば、表面温度と体温に近くなる場合が多い。メリットも大きいから、注目されているんじゃないかな。」

A子さん

「サーモカメラで、人の温度を測るメリットってなんですか?少なくとも、体温計の方が、運用も簡単で確実だと思うんですが。」

先輩

「メーカーやモデルによって、出来ることは異なるから、あくまでも、一般論として聞いてもらいたいんだけど、まず非接触であること。体温計のように測った後に受け渡しをする必要がないということだね。あと、温度を計測する速度が速い。検温の列を作って、クラスターが発生したら意味ないからね。それと、記録映像を残せるモデルも多い。仮に感染者が出たら、記録を元に濃厚接触者を特定したり、行政へ報告したりすることが出来るんだ。」

*各種メーカーやモデルによって違いがあります。

A子さん

「それは、体温計にはないメリットですね!」

A子さん

「でも、運用に合ったものにしないと、意味がないと言ってましたよね?どういったことに気をつければいいんですか?」

先輩

「なるべく、外部環境の影響を排除できる場所に設置して運用するんだけど、外気や日光に気を付けて、サーモカメラを風や日光から守ることはもちろん、外から来たばかりの人には、少し時間をおいてから検温してもらうのがいいと思う。どれくらいの時間をおくかは、屋外と屋内の環境の違いや、運用上の制約を考慮して、検討する必要があるんだ。あと、赤外線の特性として、サーモカメラに近づくと、温度が高く出てしまうんだ。つまり、カメラの近くで温度を測ると、健康でも37.5℃を超えてしまう場合がある。そのため、メーカーが推奨する測定距離以上近づかないように、動線を工夫する必要があるね。これは専門家に相談するのが良いと思う。」

A子さん

「そうなんですね。外気の影響がない場所に、カメラを設置すること。外から来た人は、室温に慣れてもらってから測ること。推奨された距離で検温できるように、人の動線を作ることの重要なんですね。」

A子さん

「早速、サーモカメラの導入を考えてみたいと思います!でも先輩・・・。高いんでしょう?」

先輩

「十数万円~五百万円以上のものまであるけど、高いから良い、というわけでもないんだ。」

A子さん

「良いから、高いんじゃないんですか?」

先輩

「ほとんどのサーモカメラは、設備や配管の点検機器の発熱や発火、人や動物の有無のみを確認する用途に設計されていることが多い。つまり、0.1℃単位の人間の温度を測ることは、あまり想定されていないんだ。高いカメラは、極寒・極暖環境で使用出来たり、測れる温度の範囲がすごく広かったり、特定用途向けに便利な機能があったりするけど、用途次第では意味がないからね。」

A子さん

「用途にあったカメラを選ぶことが重要なんですね。」

先輩

「人の温度を測るのであれば、なるべく正確に測れて誤検知しないものが良いと思うよ。まずは、人を自動識別できる機能をもつサーモカメラであることが必要だね。そうじゃないと、温度が高い電灯やエアコン、手に持ったコーヒーまで映ったものを検知して、警報をならしてしまうからね。」

A子さん

「検知漏れがあったら、検査の意味がないですし、誤検知があったら、株主様は混乱するでしょうね。私たちも、再検温や株主様への御対応で、忙しくなりそうです・・・。」

先輩

「誤検知をすると、再検温が必要になって、運用が破綻、再検温を待つ人の列を作ってしまう場合がある。そうなると、感染拡大の原因にもなるし、株主さんもイライラしてしまうよね。」

A子さん

「それだけは、避けないといけないですね。」

先輩

「スムーズに検温するためには、複数の人数を同時かつ瞬時に検温できることも望ましいね。」

A子さん

「株主総会の最中は忙しいので、温度を測るところは、なるべく正確に、自動でやってほしいです。」

先輩

「少し専門的な話になるけど、サーモカメラには、温度測定の「分解能」と「誤差」がある。分解能というのは0.01℃刻み、0.1℃刻みといった目盛りの細かさを表している。誤差は文字通り、温度をどれだけ正確に測れるかというもので、一般的に±0.3℃~±2℃くらいのものが多い。人の温度を測るのであれば、誤差は小さくないと意味がない。ここだけの話、業者によっては分解能と誤差の違いを理解してなくて、分解能の数値を誤差の数値と語る場合があるから注意が必要だよ。」

A子さん

「そうなんですね。少し難しかったですけど、人間の体温は35℃~40℃くらいなので、その範囲で、なるべく正確かつ迅速に測れるものが良さそうですね。」

A子さん

「先輩、ありがとうございました。今回は、総会を乗り切るために、レンタルにしようと思うので、レンタル会社に相談してみます。」

先輩

「問い合わせてみるとわかるけど、今は、レンタル各社が在庫を出し尽くしていることが多いよ。コロナウイルスの影響がどこまで続くかわからないから、新規購入も様子見のレンタル会社が多いみたいで。」

A子さん

「困ったな。株主総会で使えればいいだけなのに・・・。」

先輩

「まずは、総務に聞いてみてはどうかな。従業員の検温、就職説明会、毎年のインフルエンザ予防など、全社的に、使うシーンは結構あると思う。必要な時に借りれないことが多いのがサーモカメラだから、経営リスク対策として持っていくのも、一つの選択肢なんじゃないかな。」

A子さん

「そうですね。少し調べてみます。」

先輩

「各社のホームページで、仕様書を見比べてみるのが良いと思うよ。ただ、探してみるとわかると思うけど、人を検温するのに、最適なサーモカメラを見つけるのは難しいんだ。そもそも、そんな需要自体、全体として大きくなかったからね。会社によっては、人間の検温に向いているモデルと記載しているものもあるけど、仕様書をみると、誤差が±1-2℃ということもよくある。」

A子さん

「忙しいので、サーモカメラを探している時間は、あんまりないんですよね。困ったな・・・。」

先輩

「一つ参考としてだけど、ダーファ社のサーモカメラは、人間の検温に向いていると思うよ。複数人数を同時に検温出来て、誤差は±0.3℃、AIが搭載されていて、人間の額の温度を測ってくれるシステムなんだ。監視カメラ業界では、中国企業が圧倒的に強いんだけど、世界2位の中国監視カメラメーカーだから、品質も安心だと思う。実際に、コロナウイルス対策では、空港や工場に沢山導入されていて、人体検温用のサーモカメラだけで、一日1,000セット~1,500セットも、世界中に提供されているみたいだよ。価格帯は、セットで250万円くらいかな。」

A子さん

「でも、500万円のカメラも世の中にあるのに、なぜその金額で±0.3℃の誤差にできるんですか?」

先輩

「サーモカメラと赤外線放射ユニットをセットにしたシステムにすることで、検温の精度を上げているんだ。まず、サーモカメラで、人と赤外線放射ユニットを同時に撮影する。赤外線放射ユニットからは、正確に35℃の赤外線が出るようになっていて、その赤外線放射ユニットの温度を基準値として人の温度を測るから、人の温度を測る精度が上がる仕組みになっているんだよ。」

システムイメージ

A子さん

「まさに、人の温度を測るためのシステムですね!」

先輩

「何を買うにせよ、実機を体験して、色々と検討するのがいいんじゃないかな。あと、専門家と運用を検討することが重要だよ。機器の仕様に合わせて、人の動線をコントロールする必要がある。サーモカメラを入り口に置いておくだけだと、うまくいかないんじゃないかな。」

A子さん

「先輩、ありがとうございました。ひとまず、紹介いただいたカメラを中心に調べて、色々検討してみます!」

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